ザ・プレデター この世でいちばん強いヤツでてこい!なシリーズ異色作

最近は映画が観れない事態に追い込まれることが多くなった。まぁ、私の時間の使い方がまずいのが大きな問題なのだけれど。『若おかみ~』をやっと観た後にはこれじゃ!今度はワシは趣味に生きるのじゃあとこの作品に駆け込んだ。俺の中の中学生に従った結果である。

 

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出典:https://eiga.com/movie/88482/photo/

 以下あらすじ~

 

元特殊部隊員で現在は傭兵の父親クインがメキシコで手に入れた謎の装置を、息子のローリーが箱の中から発見。彼が起動させてしまったその装置は、地球にプレデターを呼び寄せるシグナルを発信するものだった…。

 

プレデター接触したことで、事態を隠蔽しようとする政府の極秘機関に監禁されてしまったクイン。彼はルーニーズと呼ばれるならず者の兵士たちと共に脱走し、危機が迫っている息子と人類を救うために奮闘する!

 

引用:映画『ザ・プレデター』オフィシャルサイト

 

うん、最高でした。純然たる好意をぶつけたい一作だった。

 

 ■ザ・プレデター!賛否が分かれるユルめのSF大作

最高ですよ。最も高いという意味です(←しつこい)。

もうね…父親が息子を守る、その画を撮りたいがために「重要アイテムを家に送付」しちゃうとか最早おバカの域。その他にもあれ?なんで急にそのシーンに飛ぶの!?みたいに疑問を呈しちゃうところもあるんだけど、劇中のルーニー(軍からケアが必要だと判断された兵士集団)が最高だからヨシ!!みたいな感想。

アクションには容赦ないゴアが盛り込まれており、やっぱ「愛すべきならず者グループ」はこれくらいむごたらしく死んだ方が泣けるなぁと思ったり。みっともなくモツを晒して、互いに武器を向け最期を遂げる様には懐かしさも込みで非常に感極まされてしまった。DC映画におけるヴィランズ大集合映画で観たかった絵が、全部この作品にあったと言っても過言ではない。ルーニーズは男性的にギラギラしていない点にもまた魅力があったりして、やや枯れた具合に哀愁があって格好良かった。

主人公役にはLOGAN/ローガン(2017年)、ドラマ『ナルコス』(2015~2018年)のボイド・ホルブルックドラマの方は未見ながら、ローガンでの印象はニヒルな小悪党のそれだったので、マッチョなアメリカンとして武器を手に悠々と駆ける姿にはちょっとした意外性があった。小粋な表情をみせる具合が実に❝クリフハンガー大作が元気だった頃❞のアメリカ映画を思い出させるそれで◎。

研究所で大暴れするプレデター、高所に登り大手を振って駆けるプレデター、多対一の戦いの中で意気揚々と先鋭武器を披露するプレデ(以下略)。ベストカットの多さも見ものだ。また、ちょくちょくプレデタさん自身がみせるユーモアなんかも新鮮で、ほほ~う、こういうこともさせちゃうんだとビックリしたり。

 

反論意見も全然わかる。こんなのプレデターじゃねぇだろ!!大いに理解できる。

プレデターシリーズってそもそもガチガチな硬派SFなんですよね。よくいる愉快犯、捕食のためだけに人を狩るモンスターではなく、階級やしきたり・ルールが存在する文化的な異星人。自分たちの手に負えない事態に向き合った時には自決するシークエンスもあったりするところからも❝スペースサムライ❞と呼べる存在で。

故に、今まではハードなSFとして描かれることが多かった。

ところが、今回のプレデターはどうだろう。様々な生物のDNAがモリモリに組み込まれ、生体的なアップグレードが施されたせいか(?)、一層の人間臭い動作を感じさせるアサシン・プレデターに驚かされたという人も結構いるんじゃないだろうか。捨て台詞的にペッと唾を飛ばし、「ガハハハハハ!!」みたいに高笑いしながら武器を手にするプレデター。過去作をこよなく愛する人がアレルギー反応を起こすのもわかる。

 

 ■個人的雑感・やっぱ❝あの頃テイスト❞に嬉しくなった

だが、筆者は80~90年代のほんわか大雑把エンターテインメントを再現してくれた点、まずそれ自体ににちょっと涙腺が緩んだのだ。その時期の大作シリーズが復活しても、あまりそのテイストが汲まれていないところに一抹の寂しさを覚えていたりしていた(中には作品的な出来の悪さを「当時の雰囲気再現」を盾に言い訳してるものもあったりして)のだけれど、これは当時の娯楽作にあった旨みだけで出来ている作品というか、「ちょっとガバガバなんだけど確かに楽しい」というムードを完全に復活させていたという点に感謝できるくらいで。正に木曜洋画劇場あたり、最近で言うと午後のロードショーで流れるようなクオリティーというか、金のかかった上質な❝B級娯楽❞の様に参ってしまった。

そもそも監督のシェーン・ブラックと言えば『リーサル・ウェポン』(1987年)脚本でブレイク、『キスキス,バンバン』(2005年)『ナイスガイズ!』(2016年)等、人がギャグのように死んでいく痛快アクションコメディの系譜にある作品を撮り続けている人で、この手に掛かればプレデターもどんな料理が為されるか、ある程度分かっていた部分はある。「お前の懐古オナニーに俺たちのプレデターを利用するな!!」という意見も見たけど、私はこれくらいは許容範囲と取った。逆に言えば、既にもうネタは切れていると感じられたのは確かだった。

 

■観たかったものを魅せてくれる展開

SF、密林ホラー、シュワちゃん映画として圧倒的な完成度を誇る第一作目のプレデタージョン・マクティアナン監督、1987年)。舞台をロサンゼルスに移したプレデター2』ティーヴン・ホプキンス監督、1990年)は半分刑事ドラマ・サスペンスの趣があった。そして二大SFクリーチャーが火花を散らした『エイリアンVSプレデター』シリーズ。特筆すれば、2とエイリアンVS~でプレデターが形成する社会の概念がほぼ完成したと言える。そしてニムロッド・アーントル監督のプレデターズ (2010年)。一作目と同じく再び森の中が戦場になる原典回帰とも取れる作品だったが、あまり面白くない既視感あるシークエンスがてんこ盛り、その上夜のアクションがなんだかよく分からないという難点があった。

そんな中での新作だから、数々の新しい画に挑戦してくれた心意気・プレデターの獰猛な本能と戦闘能力がピックアップされる、純粋な「強いヤツでてこい!」シチュエーションを創りだしてくれた点には拍手を送りたいところだ。冗談ではなく、マジな気持ちである。

 

■続編はあり…?意欲も感じられた 

ただ普通の一兵士がプレデタ武器を使えたこととか、大雑把ながらもそういう諸々に納得できる設定が欲しかったなぁとは思う。劇中でのやり取りからも分かるようにせっかく一作目とその次作は踏まえているんだから、そこで得られた情報を基に人間側も20年くらいかけて発展させたハイパーテクノロジーを用い軍機密で何かを仕込んでいて…というのがあっても良かったのでないか。プレデターの装備が何の説明もなく子供でも扱えた点とかあまりにおざなりすぎて乾いた笑いが出た(パパンのインビジブルボール隠し芸は普通に面白かったけど)。

まぁ、諸々全然いいでっす。俺はそれでもお前が好きだ。

なんだか続編も作りたそうな感じがあって(エンドロール前、結構ギリギリなセルフパロディかましていましたね 笑)それならもっとヒットして欲しいところだけど、往年のファン・それ以外の人のどちらにもいまいち評価してもらえてないところが惜しい…まぁ、このノリノリ具合でブツっと終わってもそれはそれで面白い。

響く人には響く内容だと思うので、グロイのが苦手でなければ是非とも劇場に足を運んでいただきたいところです。

 

(完)