タテタカコ 高校時代の思い出と共に かつての“恐怖”を聴き返す夜(2)

こんばんは。アベニティです。

イキモノタチ

画像はタテタカコのアルバム『イキモノタチ』(2007年)のジャケット。この絵からして既にちょっと物騒だな。一体何の生き物なのだろう。

タテタカコは、私が高校生の頃によく聴いていたアーティスト。私は高校時代は寮生活で、1年生の頃は先輩と一緒に生活するのが決まりだった。

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映画『愛しのアイリーン』 みっともなくも克明に描かれる「愛」の形、齎された悲劇

愛しのアイリーンは最初に予告編を目にしたときから観たかった作品の一本だった。『ヒメアノ~ル』(2016年)犬猿(2018年)の吉田恵輔監督が、『真説ザ・ワールド・イズ・マイン(2006年)の新井英樹の漫画を映像化するという大ニュース。もうそれはつまらないわけがなくね?!と鼻息荒くしていたのだが、自身の制作や予定の目途が立たずようやく足を運べたのが上映終了すれすれの今という。全く情けない話、趣味すらまともに楽しめない近況に涙が出てくるが、無理を押してでも劇場で観ておいて良かったなとつくづく思った。評判の良い作品はたいてい当たりだった今年だが、群を抜いてガツンと来た一作でした。


新井英樹原作×安田顕主演×吉田恵輔監督『愛しのアイリーン』特報

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チューリップ・フィーバー なんとも惜しいサスペンス

美大構内の世界堂にポスターが貼られたりしていれど、都内では上映も限られていた『チューリップ・フィーバー   肖像画に秘めた愛』。なんでもアリシア・ヴィキャンデルデイン・デハーンクリストフ・ヴァルツとの錚々たる役者名の並びを見つけてしまっては嫌が応にも興味を惹かれてしまった。

 

予告編はこちら


【映画 予告編】 チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛

 

 後日、たまたま新宿へ向かう用事を見つけて劇場へ。観客は女性が多く、それも年配の方の姿が見受けられたように思えました。以下はあらすじです。

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ザ・プレデター この世でいちばん強いヤツでてこい!なシリーズ異色作

最近は映画が観れない事態に追い込まれることが多くなった。まぁ、私の時間の使い方がまずいのが大きな問題なのだけれど。『若おかみ~』をやっと観た後にはこれじゃ!今度はワシは趣味に生きるのじゃあとこの作品に駆け込んだ。俺の中の中学生に従った結果である。

 

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出典:https://eiga.com/movie/88482/photo/

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谷山浩子『まっくら森の歌』仄かなホラーと幻想の美 かつての❝恐怖❞を聴き返す夜(1)

谷山浩子ベスト 白と黒

 

みなさんは、幼少期にTV放送や音楽など、創作物にまつわる怖い思いをしたことはあるだろうか。

世にいう「トラウマ体験」というものである。

 

個人的には二つある。押井守の『イノセンス』(2003年)予告編・女の子のセクサロイドが自壊するシーンと、「みんなのうた傑作選」的なVHS(タイトル不詳)に収録にされていた『まっくら森の歌』(1985年)がそれに該当する。どっちも幼心にインパクトを残すのには充分で、ちょっと歳を取ってからもしばらくは”恐怖の経験”として思い起こされることがしばしばだった。

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若おかみは小学生! 温泉に浸かり、映画を観る目に溜まった垢を流すような映像体験~


劇場版「若おかみは小学生!」予告編

 SNSでかねてより大いに話題になっていた本作だが、現状としては(やっと)そこにヒットが反映されてきた次第。だが、未だ上映しているところでは満席が続いていれど、館の大体が上映を畳み始めているのもまた事実。映画が流行るには時間がかかる場合もあるんだな…というのを痛感させられる一幕ではある。

 

とりあえず観て!!という支持者たちの猛プッシュはあれ、絵柄の好みやタイトルから想像される内容があまり面白くなさそう云々〜と言った理由でアニメ・映画好きには届かず、ファン内々での評価の照らし合いに始終してしまっている~故になかなかヒットに繋がらなかったというのが一番理由に近いと考える。

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ネクスト・ロボ  ガールmeetsロボ はどこまでメモリ(記憶)について描き出すか

 


二人の友情が、世界を救うー『ネクスト ロボ』本予告

 

Netflixで9月から配信が開始されたSFアニメネクスト・ロボ』ケビン・アダムス、ジョー・ケイサンダー監督、2018年)。

 

いかにもな お涙頂戴シーンでつないだ予告編に食傷の気を感じながらも、メモリ(記憶)と感情の関係性にスポットが当ているところに興味を惹かれた。湯浅政明カイバ(2008年)の3話『クロニコのながぐつ』で見せたようなテーマが扱われている~とも取れる内容が気になったのだ。

 

とにかく、ネトフリでじゃんじゃん流れる予告とTwitterでの広告展開、この手のプロモーションにぶら下がる悪辣な嘲笑ツイートの数々を目にして(←本当に大嫌い)「これは早いうちに観なくてはいけない」との意識を強くしたのは確かである。 

 

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