映画『愛しのアイリーン』 みっともなくも克明に描かれる「愛」の形、齎された悲劇
『愛しのアイリーン』は最初に予告編を目にしたときから観たかった作品の一本だった。『ヒメアノ~ル』(2016年)『犬猿』(2018年)の吉田恵輔監督が、『真説ザ・ワールド・イズ・マイン』(2006年)の新井英樹の漫画を映像化するという大ニュース。もうそれはつまらないわけがなくね?!と鼻息荒くしていたのだが、自身の制作や予定の目途が立たずようやく足を運べたのが上映終了すれすれの今という。全く情けない話、趣味すらまともに楽しめない近況に涙が出てくるが、無理を押してでも劇場で観ておいて良かったなとつくづく思った。評判の良い作品はたいてい当たりだった今年だが、群を抜いてガツンと来た一作でした。
新井英樹原作×安田顕主演×吉田恵輔監督『愛しのアイリーン』特報
チューリップ・フィーバー なんとも惜しいサスペンス
美大構内の世界堂にポスターが貼られたりしていれど、都内では上映も限られていた『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』。なんでもアリシア・ヴィキャンデル、デイン・デハーン、クリストフ・ヴァルツとの錚々たる役者名の並びを見つけてしまっては嫌が応にも興味を惹かれてしまった。
予告編はこちら
【映画 予告編】 チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛
後日、たまたま新宿へ向かう用事を見つけて劇場へ。観客は女性が多く、それも年配の方の姿が見受けられたように思えました。以下はあらすじです。
続きを読むザ・プレデター この世でいちばん強いヤツでてこい!なシリーズ異色作
最近は映画が観れない事態に追い込まれることが多くなった。まぁ、私の時間の使い方がまずいのが大きな問題なのだけれど。『若おかみ~』をやっと観た後にはこれじゃ!今度はワシは趣味に生きるのじゃあとこの作品に駆け込んだ。俺の中の中学生に従った結果である。
出典:https://eiga.com/movie/88482/photo/
続きを読む若おかみは小学生! 温泉に浸かり、映画を観る目に溜まった垢を流すような映像体験~
ネクスト・ロボ ガールmeetsロボ はどこまでメモリ(記憶)について描き出すか
近未来感あるデザインの掃除機と共にこんにちは。アベニティです。
Netflixで9月から配信が開始されたSFアニメ『ネクスト・ロボ』(ケビン・アダムス、ジョー・ケイサンダー監督、2018年)。
いかにもな お涙頂戴シーンでつないだ予告編に食傷の気を感じながらも、メモリ(記憶)と感情の関係性にスポットが当ているところに興味を惹かれた。湯浅政明が『カイバ』(2008年)の3話『クロニコのながぐつ』で見せたようなテーマが扱われている~とも取れる内容が気になったのだ。
とにかく、ネトフリでじゃんじゃん流れる予告とTwitterでの広告展開、この手のプロモーションにぶら下がる悪辣な嘲笑ツイートの数々を目にして(←本当に大嫌い)「これは早いうちに観なくてはいけない」との意識を強くしたのは確かである。
続きを読む